6月4日、「新しい歴史教科書をつくる会」の副代表でもある藤岡信勝氏の主宰する「自由主義史観研究会」が緊急集会「沖縄戦集団自決事件の真相を知ろう」が開かれ、沖縄県民に大きな衝撃を与えるとともに激しい怒りを呼び起こしています。彼らは、渡嘉敷島・座間味島の「調査」も実施して「集団自決強要は虚構」であると主張、教科書、教師用指導書、副読本などから記述削除を求める決議を採択し、具体的な行動をすすめています。
私たちはこの動きに大きな警戒感を強めて本集会を開催しました。
1つ目は、これまでの沖縄戦研究の成果を大きく歪めるものであるということです。「集団自決」の問題は、1982年の文部省教科書検定における「日本軍による住民殺害」の全面削除、1984年提訴の教科書裁判第3次訴訟においてもとりあげられ、とくに1988年の沖縄出張法廷においては、「集団自決」に関する軍の関与は証明ずみです。これは、我々沖縄県民の沖縄戦認識において当たり前のものとなっています。
2つ目に、彼らの意図が有事法制の必要性をとき、「軍隊は国民を守るためにある」という論理を構築することにあり、その根拠として「集団自決」のわい曲があるということです。「集団自決」の軍の強要を否定することで、沖縄戦の教訓としての「軍隊は住民を守るものではない」ということを否定しようとしています。この動きは今後、「皇軍による住民虐殺」や「スパイ視虐殺」などの削除にもつながっていきます。
私たちは、本日、沖縄戦の実相を学ぶことで、「軍隊は住民を守らない」「軍隊が支配する社会の恐ろしさ」を再確認しました。そのなかで、「集団自決」が「崇高な犠牲的精神の発露」などではなく、天皇の軍隊による強制・強要・誘導であり、さまざまな場面で沖縄住民を死に追いやっていったことを再確認しました。
私たちは、このシンポジウムで次のことを要求します。
1.自由主義史観研究会による「集団自決強要」の記述を教科書から削除する要求に抗議します。
2.教科書・出版物の記述を削除する策動を許さず、県内外による沖縄戦研究の成果を記述にしていくよう求めます。
以上の決議をもとに次のような行動を呼び掛けます。
1.「子どもたちに歴史の事実を正しく伝える教科書を選び、歴史の改竄を許さない市民ネットワーク(仮称)」を立ち上げ、市民の運動をつくりあげましょう。
2.8月の教科書採択に向けて、教科書展示会に多くの教員・保護者・市民が参加し、私たちの子どもにふさわしい教科書をチェックする活動をすすめましょう。
3.これまでつくりあげてきた沖縄戦認識をさらに深め、戦後60年の今年、沖縄戦の実相と教訓を再度確認する活動をすすめましょう。