沖縄タイムス 2005年1月28日 朝刊 31面
  
宜野湾市青少協30周年式典
  「つくる会」元副会長講師に/沖教組などが変更要請

 宜野湾市青少年健全育成協議会創立30周年記念行事における
  「高橋史郎氏」講演会の中止を求める要望書

 沖縄タイムス 2005年1月29日 朝刊 29面
  
「つくる会」問題/31日に最終決定/宜野湾青少協

 沖縄タイムス 2005年2月1日 朝刊 27面
  「つくる会」講師/辞退し講演中止/宜野湾青少協


<沖縄タイムス 2005年1月28日 朝刊 31面>

宜野湾市青少協30周年式典
「つくる会」元副会長講師に/沖教組などが変更要請

 2月に行われる宜野湾市青少年健全育成協議会(嘉手苅喜郎会長)の創立30周年記念式典で、「新しい歴史教科書をつくる会」元副会長で埼玉県教育委員の高橋史朗氏が記念講演することが明らかになり、沖教組と高教組、普天間爆音訴訟原告団ら40人は27日、宜野湾市教育委員会を訪れ市青少協に対し、「講師として適格性に疑問がある」と、講師の変更を求めた。

 嘉手苅会長は「『つくる会』での経歴を知らないで講師をお願いした。分かっていたら依頼しなかった」と説明。しかし、その後の報道陣への説明では「最初から『つくる会』関係者だと知っていたが、これだけ問題になるとは思わなかった」と釈明した。

沖縄タイムス 
2005年1月28日
朝刊 31面

 市青少協は2月5日、市民会館で30周年記念事業を開催。高橋氏は「親と子どものキャッチボール」と題し、記念講演する予定となっている。

 講師選定の経緯について、嘉手苅会長は「児童心理学者の高橋氏が子どもの居場所づくりをテーマにいい講演をしていると聞き、昨年12月に依頼した」と説明。ここ数日、人選を問題視する声が内外から出たことから、24日の実行委員会会合で対応を協議。委員の父母30人から「話を聞いてみたい。受け止め方はいろいろある」との意見が出たという。

 要請団は「戦争を美化し、戦後民主主義教育を攻撃する高橋氏には、講師としての適格性に疑問を抱く。テーマにふさわしい人を選び直してほしい」と指摘し、講師変更を強く求めた。嘉手苅会長は「要請については、28日の実行委員会で検討したい」と返答した。


2005年1月27日

宜野湾市教育委員会
 教育長 普天間朝光 殿

沖縄県教職員組合
執行委員長 兼城 功
沖縄県高等学校障害児学校教職員組合
執行委員長 松田 寛

宜野湾市青少年健全育成協議会創立30周年記念行事における
「高橋史郎氏」講演会の中止を求める要望書


 日頃から、本市の青少年の健全育成に尽力している貴職に対し、敬意を表します。

 さて、見出しの通り、創立30周年記念行事として、「高橋史郎氏」の講演会を企画している旨の情報が入り、驚きと怒りを禁じ得ません。

 高橋史郎氏は、扶桑社版「歴史・公民教科書」を編集した「「新しい歴史教科書をつくる会」(以下、「つくる会」と略)の呼びかけ人であり、結成当初からの理事、副会長として「つくる会」運動を実質的にコーディネートしてきた人物です。「つくる会」歴史教科書は、日本の侵略戦争を正当化する論調で貫かれていますし、「つくる会」公民教科書は、国のため命を投げ出す人材育成をめざす内容となっています。

 また、高橋氏は、日本政府も認めている日本軍「慰安婦」被害者を攻撃し、歴史教科書からの「慰安婦」記述削除を執拗に要求してきたこと、「母性」に名を借りて子どもの権利条約や女子差別撤廃条約を否定する立場で論陣を張ってきたことなど、基本的人権の尊重や平和主義を掲げる憲法・教育基本法を守る立場から問題があり、講師としての適格性が疑われる人物だと言わざるを得ません。

 沖縄は、「戦後」60年を経てなお、いやしがたい沖縄戦の記憶を刻んでおります。なかんずく、ここ宜野湾市は、昨年8月13日の米軍ヘリ墜落事故以降、「平和の発信地」をめざす姿勢を明確にしています。この地にあって、先にあげたような、歴史を歪曲する教科書の普及に励む人物を講師に迎えることは、私たちの歴史的体験継承に泥を塗るようなものであると、深く憂慮するものです。

 つきましては、下記の通り、強く要望したします。



1、2月5日に予定されている、宜野湾市青少年健全育成協議会創立30周年記念行事における「高橋史郎氏」講演会の講師を中止すること。または、会の趣旨にふさわしい講師で改めて対応すること。



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なお、同趣旨の要請は、普天間基地爆音訴訟団(団長 島田善次)も行った。


<沖縄タイムス 2005年1月29日 朝刊 29面>

「つくる会」問題/31日に最終決定/宜野湾青少協

 宜野湾市青少年健全育成協議会(嘉手苅喜郎会長)が2月、「新しい歴史教科書をつくる会」元副会長で埼玉県教育委員の高橋史朗氏を創立30周年記念講演の講師として招くことに対し、沖教組などから講師の見直しを求められた問題で、同実行委員会(松田善弘委員長)は28日夜、市内で会合を開き、対応を協議した。しかし、出席者が3分の1に満たなかったことから、31日にあらためて会合を持ち、最終決定することを確認した。

 会合終了後、松田委員長は「『子どものための講演であり、子どもの居場所づくりは青少年育成の大きな課題。当初の決定通り、そのまま実行してほしい』との声が多かった」と説明した。



<沖縄タイムス 2005年2月1日 朝刊 27面>

「つくる会」講師/辞退し講演中止/宜野湾青少協

 宜野湾市青少年健全育成競技会(嘉手苅喜郎会長)が5日に予定していた創立30周年記念講演会が中止されることになった。講師に「新しい歴史教科書をつくる会」元副会長の高橋史郎氏(埼玉県教育委員)を招くことに、沖教組などが見直しを求めていたが、同実行委員会(松田善弘委員長)は31日夜、高橋氏からの辞退申し入れを理由に中止を決定した。

 同問題では、沖教組や高教組、普天間爆音訴訟原告団が講師見直しを同青少協や実行委に養成していた。松田委員長が後日、高橋氏に状況を報告。高橋氏から「市青少協の会活動に支障を来すことが懸念される状況にあるのなら、講演を辞退する」との申し入れが松田委員長にあったという。

 同実行委は、高橋氏の申し入れを受け入れ、全員で中止を決めた。

 嘉手苅会長は「青少年の健全育成の立場から、子どもとの対話や居場所づくりをテーマにしようと実行委で決め、講演会計画を進めてきた。それが聞けなくなったのは残念だ」と話した。


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