「嘉手納基地監視行動2004-01」の結果について

 沖縄県平和委員会と沖縄平和ネットワークは、さる3月22日から嘉手納基地監視行動を行いました。4月15日には午後1時30分より県庁記者クラブにて嘉手納基地監視行動の結果を発表しました。以下報告します。

1 概要

(1) 主   催 沖縄県平和委員会、沖縄平和ネットワーク
(2) 実施期間 2004年3月22日(月)〜26日(金) 07:00〜19:00
(3) 監視場所 安保の見える丘
(4) 調査内容 離陸・着陸・通過・タッチ&ゴーの4形態で、機種、時間等を記録
(5) 参加人数 のべ43名

2 目的

(1) 嘉手納基地を離着陸する各機種の動きから嘉手納基地の機能を考える。

(2) 県民生活を脅かす嘉手納基地の危険性を監視する。

(3) 米韓合同演習等(朝鮮半島有事)における嘉手納基地をはじめ在沖米軍基地の役割を監視する。3〜4月にかけておこなわれていた次の演習との関連を調べる。
 ◎RSOI演習…米軍増援戦力の戦時支援計画、戦時支援手続き等
 ◎韓国増強演習プログラム
 ◎フリーダム・バナー04…朝鮮半島有事を想定、ピョンテク等での即応訓練
 ◎フォール・イーグル04(トクスリ)…野外機動訓練

(4) 平和運動の人材養成、学習の場とする

3 監視機関中の特徴(下記の表参照)

(1) 確認機種 25機種
 ◎海兵隊所属機、輸送機、艦載機はあまり動きがみられなかった
 ◎E8ジョイントスターズ、E3AWACS、RC135W、EP3が目立った

(2) 飛行回数 909回(離陸・着陸・通過・T&G)
 ◎F15戦闘機がトップで438回(48.2%)
 ◎3分58秒に1回(MAX 3/24、3分24秒に1回)

(3) 緊急着陸 化学消防車等が出動した緊急着陸は6回
 ◎3/22 11:45 F15(ZZ.528) 自力で格納庫へ戻る
 ◎3/23 09:12 F15(ZZ.494) 牽引されて格納庫へ
 ◎3/24 14:31 F15(ZZ.476) 自力で格納庫へ戻る
 ◎3/25 13:58 KC135(ZZ.055) 乗員4名は機体から離れる。牽引されて格納庫へ
 ◎3/25 17:13 F15(ZZ.474) 自力で格納庫へ戻る
 ◎3/26 07:37 F15(ZZ.547) 自力で格納庫へ戻る

(4) その他
 ◎嘉手納基地周辺を県警機動隊が警備にあたり、調査員の車両等を毎朝チェックする

4 所見

(1) 基地あるかぎり被害は変わらない
 監視行動の期間内に嘉手納基地に展開していた機体数はやや少なく、飛行回数も極端に多いものではなかった。F15戦闘機は離陸後、1時間30分前後で帰還する。
 しかしながら、離着陸をくり返すF15戦闘機は相変わらず激しい爆音を伴い、とくに着陸態勢から低空でアプローチしていったん旋回する際、ほとんどのF15戦闘機は鋭角に急上昇した。そこで発生する爆音は住民の生活実感からも著しいものであった。「今日はかなりうるさい」「何か特別な訓練をやっているのか」という住民の声を聞く。
 監視行動を通して住民の視点から次の点を指摘したい。

常駐機や飛来機の総数が少なくても、残りの軍用機が嘉手納基地をフルに利用するため、基地があるかぎり爆音被害は変わらないといえる

帰還したF15戦闘機、P3対潜哨戒機、E8偵察機などは機体を洗浄するためシャワーを浴びる。県内では水不足による断水が懸念されるなかで、費用の面からも、水被害の面からもあらためて憤りを覚える。

比較的離着陸が少ないため、合間を縫って嘉手納基地航空クラブのセスナ機が離着陸をくり返していた。おもに幅60mの滑走路を利用して、沖縄市側への旋回を繰り返した。そこへF15戦闘機が着陸のためアプローチしてくるとニアミス状態が頻繁に起きる。民間飛行場ではありえない危険な飛行が野放しになっている。

(2) 朝鮮半島有事で嘉手納基地は…
 攻撃、輸送、哨戒、防空、偵察、管制、救難などの機能をもつ嘉手納基地は総合出撃基地といえる。これらの機能は大規模戦から低強度紛争など規模や作戦などによって使いわけられる。また、部隊も情勢に応じて編成替えがつづく。
 監視行動期間にあたる3月は朝鮮半島有事を想定した米韓合同演習がおこなわれ、とくにフォール・イーグルは過去10年間で最大規模のものであった。
 こうした状況下でみられたおもな特徴は次のとおり。

2月下旬からE8ジョイントスターズが2か月以上も嘉手納基地を拠点にして離着陸をくり返していたが、監視行動期間中にはE8が早朝に離陸し、夕刻に帰還。E3AWACSやEP3にも同様の動きが見られた。RC135Sコブラボールも確認されている。

嘉手納基地以外の動きとして3月29日にはミサイル観測船アブザベーション・アイランドが那覇軍港に入港した。高速輸送船ジョイント・ヴェンチャー(HSV-X1、3/25 ピョンテク米軍基地特殊部隊が同艦で訓練)はホワイト・ビーチ、那覇軍港で監視行動の前後に寄港が確認され、ホワイト・ビーチには原潜が3回寄港した。
〔参考〕 1998年に北朝鮮がテポドンの打ち上げ実験をおこなった。その2週間前、すでに海上自衛隊はEP3で情報収集をおこなっていた。米軍は電子情報収集機RC135Sコブラボールやミサイル追跡艦オブザベーション・アイランドが日本海で任務についていた。

 ミサイルを攻撃する第7艦隊のイージス艦やトマホーク搭載の原潜の動きが近海で確認されているが、朝鮮半島有事の際、嘉手納基地は出撃、輸送、救難など総合的な機能を発揮しつつも、第44・67戦闘飛行中隊の盾のもと、情報収集や偵察など中枢機能の拠点になるとみられる。軍事における最重要機能は「補給と情報」だが、朝鮮半島有事の嘉手納基地の役割は「情報」に重きが置かれるということであろう。それだけに相手側にとっては、第1の攻撃目標となる。

(4)おわりに
 米軍の無法な戦争に県土が使われていること、あらゆる基地被害を受けながら、加害側の荷までも負わされることに県民として憤りを感じつつ、冷静かつ賢明な外交努力に徹することがいまこそ求められているなかで、嘉手納基地をはじめ在日米軍基地の即時無条件全面撤去、日米安保条約破棄を強く要求したい。

表1 時間帯別飛行回数(集計結果)

月 日 3.22 3.23 3.24 3.25 3.26 合計 比率(%)
時 刻 (月) (火) (水) (木) (金)
07:00 〜07:59 2 3 2 5 14 26 2.9
08:00 〜08:59 15 11 13 19 15 73 8.0
09:00 〜09:59 15 38 10 37 6 106 11.7
10:00 〜10:59 6 15 18 18 21 78 8.6
11:00 〜11:59 15 15 8 18 13 69 7.6
12:00 〜12:59 13 21 13 9 16 72 7.9
13:00 〜13:59 24 15 12 27 13 91 10.0
14:00 〜14:59 14 12 19 31 11 87 9.6
15:00 〜15:59 28 13 30 14 16 101 11.1
16:00 〜16:59 10 9 12 7 10 48 5.3
17:00 〜17:59 32 21 4 7 18 82 9.0
18:00 〜19:00 25 14 7 20 10 76 8.4
合  計 199 187 148 212 163 909 100.0

表2 時間帯別飛行回数(セスナ除外)

月 日 3.22 3.23 3.24 3.25 3.26 合計 比率(%)
時 刻 (月) (火) (水) (木) (金)
07:00 〜07:59 2 3 2 2 14 23 3.0
08:00 〜08:59 15 11 13 16 15 70 9.1
09:00 〜09:59 15 37 9 36 3 100 13.0
10:00 〜10:59 6 14 16 15 21 72 9.4
11:00 〜11:59 13 14 3 10 13 53 6.9
12:00 〜12:59 13 18 9 9 15 64 8.3
13:00 〜13:59 20 14 12 24 10 80 10.4
14:00 〜14:59 9 11 16 31 10 77 10.0
15:00 〜15:59 28 10 29 13 13 93 12.1
16:00 〜16:59 8 8 11 6 9 42 5.5
17:00 〜17:59 15 19 2 4 13 53 6.9
18:00 〜19:00 6 13 6 7 9 41 5.3
合  計 150 172 128 173 145 768 100.0

表3 機種別(飛行形態別)

機  種 離陸 着陸 通過 T&G 合計 比率(%)
1 C5 1 1 0 0 2 0.2
2 C9 0 1 0 0 1 0.1
3 C12 7 5 5 17 34 3.7
4 C21 3 5 1 1 10 1.1
5 C40 3 2 0 0 5 0.6
6 E3 7 3 2 0 12 1.3
7 E8 3 2 6 3 14 1.5
8 P3 8 11 12 22 53 5.8
9 EP3 2 3 0 0 5 0.6
10 EA6 1 0 0 0 1 0.1
11 RC135 1 2 0 0 3 0.3
12 F15 135 138 144 21 438 48.2
13 F16 4 0 0 0 4 0.4
14 HC130 0 1 0 0 1 0.1
15 MC130 5 4 7 11 27 3.0
16 KC10 2 2 0 0 4 0.4
17 KC130 0 0 1 0 1 0.1
18 KC135 10 13 23 9 55 6.1
19 HH60 5 4 5 0 14 1.5
20 SH60 31 26 4 0 61 6.7
21 CH46 0 0 4 0 4 0.4
22 T1 0 0 2 0 2 0.2
23 自衛隊C1 1 1 0 0 2 0.2
24 セスナ 34 21 27 61 143 15.7
25 チャーター機 6 7 0 0 13 1.4
合  計 269 252 243 145 909 100.0
    29.6% 27.7% 26.7% 16.0%        

表4 機種別(月日別)

機  種 3.22 3.23 3.24 3.25 3.26 合計 比率(%)
1 C5 0 2 0 0 0 2 0.2
2 C9 0 0 0 0 1 1 0.1
3 C12 0 10 3 15 6 34 3.7
4 C21 1 4 2 0 3 10 1.1
5 C40 0 3 2 0 0 5 0.6
6 E3 2 1 1 4 4 12 1.3
7 E8 4 0 2 0 8 14 1.5
8 P3 22 2 24 2 3 53 5.8
9 EP3 2 0 1 2 0 5 0.6
10 EA6 0 0 0 1 0 1 0.1
11 RC135 0 1 0 2 0 3 0.3
12 F15 89 110 62 124 53 438 48.2
13 F16 4 0 0 0 0 4 0.4
14 HC130 0 1 0 0 0 1 0.1
15 MC130 0 3 0 0 24 27 3.0
16 KC10 1 0 0 1 2 4 0.4
17 KC130 0 0 0 0 1 1 0.1
18 KC135 3 8 9 3 32 55 6.1
19 HH60 9 0 5 0 0 14 1.5
20 SH60 10 25 12 13 1 61 6.7
21 CH46 0 0 0 0 4 4 0.4
22 T1 0 0 0 0 2 2 0.2
23 自衛隊C1 0 0 1 1 0 2 0.2
24 セスナ 50 15 20 40 18 143 15.7
25 チャーター機 2 2 4 4 1 13 1.4
合  計 199 185 148 212 163 909 100.0
頻度(分) 3:37 3:54 4:52 3:24 4:25 3:58    



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