次に訪れたのは辺野古崎の少し先に浮かぶ長島。汀間漁港から大西さん、東恩納さんの漁船に10名ずつ乗せてもらった。4m・・・15m・・・31m・・・ソナーに表示される海底までの距離を見ながら、大浦湾の地形を想像した。「この深さなら空母が通れる。この深さなら上陸用舟艇が入れる。でも大きな船になればなるほどまっすぐに近い通り道が必要だから、ここに入港するにはこのあたりの海底を削らないといけない。海底を削ると潮の流れが変わり、生態系が変わる・・・」
大西さんはこのようなお話をされた。基地ができて変わるのは海上や陸の、普段目に見えている所だけではない。当たり前だけれど、海に建造物を作れば海の中の様子が変わり、やがてどのような形でか生き物の生活、人間の生活に影響がある。そんなことを、ぐるぐる考えさせられた。また、実際に海に出て「ここまでが護岸になる」、「ここまでが滑走路になる」…と聞くと、地図を見るだけ、遠くから見るだけではよく分からない大きさのリアリティー、ほんとにドデカイ物がここにできるんだということに圧倒された。
長島から辺野古崎周辺の辺野古側の海を見ると明るい青色で、そのあたりの海が浅いことがよくわかる。海は深いところのほうが潮の流れが速く、このような浅いところでは流れが停滞するそうだ。流れの穏やかなところには海草が良く育ち、魚が集まる。まさにこのあたり一体は生き物の宝庫だ。
海のお話とともに、ここに基地を建設する計画の経緯と、今、沖縄の人たちが将来のビジョンも含めて声をあげていかないといけないこと、その一つとしてキャンプシュワブを国民休暇村に、ここの海をジュゴン保護区にするという構想があることを東恩納さんから聞いた。
汀間漁港に戻り昼食を取ったあと、大浦湾のマングローブをみに行った。マングローブも海のイノー(礁池)と同じく、生き物の宝庫らしい。一歩入ると、ガザミ(ワタリガニ科のカニ)と彼等の巣らしきものがたくさんあった。潮の流れの変化が汽水域に生息する生物にどのような影響をもたらすのか、そのあたりのことも考える必要があるなと思った。
参加者の方が感想で「今回は基地建設工事が海に及ぶまでに数年という時間があり、その時間を利用して多くの人に大浦湾の自然に親しんでもらう、大浦湾を愛してもらうことが、闘いの1つの方法ではないか」と言われた。私もこれに共感するとともに、私自身がこれから何度も大浦湾に足を運んで、そこの地域に、自然に親しみたいと思った。